サイトスワップ

サイトスワップの作成

実際のジャグリングのパターンをサイトスワップで書き表してみます。

まず、日本の伝統的なお手玉の投げ方を見てみましょう。ボール3個の場合、3ボールシャワー(お手玉の言葉で言うと両手3個ゆり)と呼ばれる技になります。これは右手でボールを左手の方に大きく投げ、左手に持っているボールはほぼ真横に右手に向けて投げることを繰り返します。

最初に右手に1個(赤)、左手に2個(青と黄)を持った状態から始めるとします。まず右手の赤を大きく左手の方に投げ、それが落ちてくる前に左手の青を素早く右手の方に投げ、右手は青を受け取ったらすぐに左手の方に(これも大きく)投げます。先程投げた赤が左手の方に落ちてきますから、それを受け取るために左手に残っている黄を素早く右手に投げ、…以下同様です。

3ボールシャワーの投げる手とボールの色を図示すると、次のようになります。

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:
:

それではこれをサイトスワップパターンにしてみましょう。時刻1の赤は次に時刻6で投げられているので時間間隔は 6 - 1 = 5。時刻2の青は、直後の時刻3に投げられているので 3 - 2 = 1。時刻3は(今度も青ですが)次に投げられるのが時刻8なので 8 - 3 = 5。これを続けると

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:
:
間隔 : 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1

515151515151…、51 の繰り返しになりました。よって、3ボールシャワーのサイトスワップパターンは 51 です。

ちなみにこれを1単位時間だけずらして始めると、151515151515… となり、パターンは 15 になります。51 も 15 も見た目には全く同じものであることは容易に分かると思います。このようにサイトスワップパターンは、その繰り返し周期の数だけ異なる表記ができます。例えば 123 という周期3のパターンは、他に 231 あるいは 312 という書き方もできます。ただし 321 は、よく似ているものの時間をずらしただけではないため、123 と同じではありません。

3ボールシャワーの場合は一般に 51 (読み方はゴーイチ)と表されます。どの表現を採用するかは個人の好みだと思いますが、いくつかの表現があることと、一般に広まっている表現があるということは覚えておいてください。

今度は4個のボールでやってみましょう。4ボールの最も基本的な投げ方はファウンテンと呼ばれます。これは4個のボールを等間隔に、その順番を守って投げる投げ方です。言葉で説明するより、まずは図示してみましょう。4個のボールの色は赤、青、黄、緑とします。

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:
:
間隔 : 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4

全てのボールを時間間隔4で投げることになりますので、サイトスワップパターンは 4 です。

4ボールファウンテンを知っている人には当たり前のことですが、赤は常に右手で投げられています。青は常に左手、黄は右手、緑は左手です。そして右手では赤と黄が交互に、左手では青と緑が交互に投げられています。つまり、左右の手で独立に2個ずつのボールを投げていることになります。3ボールカスケードや3ボールシャワーのように反対側の手に向けて投げることはありません。

ボールを投げる手が右左交互であることから、サイトスワップの数字が

  • 偶数なら自分の手に、奇数なら反対側の手に投げる

という法則が成り立ちます。