サイトスワップ

通常のサイトスワップ

サイトスワップはクラブやリングなどでも利用できますが、ここでは回転数や角度を気にしなくてもよいボールに絞って話をします。また、手の位置は腰の高さに固定して、体の正面でボールが平面上を飛び交うようなごく普通のスタイルで投げることを想定しています。ボールは常に右手から投げ始めるものとします。

サイトスワップの基本的なルールは2つだけです。

  • ボールは同じ時間間隔で、左右交互に投げる
  • 数字は、今投げたボールを次に投げるまでの時間間隔を表す

ボールを投げる時間間隔はボールの数や投げ上げる高さによって変わってきますが、0.3~0.5秒ぐらいです。

1つのパターンを投げている最中はこの間隔が一定になります。そこでこの0.3秒(あるいは0.5秒)という時間間隔のことを単位時間と呼ぶことにします。1単位時間は0.3秒、2単位時間は0.6秒、3単位時間は0.9秒、…以下同様です。そして、ジャグリングを開始するときを時刻1、そこから1単位時間経ったときを時刻2、2単位時間経ったときを時刻3、3単位時間経ったときを時刻4、…というように表します。

では時刻と、ボールを投げる手の関係を図示してみましょう。

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:

右手は常に奇数時刻に、左手は常に偶数時刻にボールを投げることになりますが、これは最初のルールに忠実に従った結果です。

今度はボールの動きに注目してみましょう。

3ボールカスケードと呼ばれるジャグリングの最も基本的なパターンがあります。これは左右の手で3個のボールを交互に、ちょうど ∞ のような軌跡を描くようにして投げるパターンです。

3個のボールの色を赤、青、黄だとすると、最初に赤を投げて、次に青、そして黄、元に戻って赤、次に青、そして黄、…といった具合に投げることになります。これを図示すると次のようになります。

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:
:

さて、赤、青、黄の3つのボールは、それがひとたび投げられてから次に投げられるまでにどれだけの時間間隔があるでしょうか? 時刻1の赤は次は時刻4で投げられています。ということは間隔は 4 - 1 = 3 ですね。次の青はどうでしょう? 5 - 2 = 3 で、やはり 3 です。黄も 6 - 3 = 3 で 3、2回目の赤も 3、次の青も 3、…というように全ての時間間隔は 3 になっています。では、ボールの色の下にこの時間間隔を書き入れてみましょう。

時刻 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
:
:
間隔 : 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3

ここで間隔の数字を取り出すと、333333333333… となります。これは無限に続く数字列ですので全部を書き表すことができません。そこで、繰り返しになる部分は省略してしまいます。すると 3。たったこれだけになりました。実はこの数字こそが、3ボールカスケードに対するサイトスワップパターンを表しているのです。

サイトスワップの補足として、パターンの値が 0、1、2 のときは特別な動きをする、というものがあります。

  • 0 のときは、投げるべきボールがない
  • 1 のときは、ボールを素早く反対の手に渡す
  • 2 のときは、ボールは手に持ったまま投げない

これらはルールと呼ぶほどのものではありませんが、知っていると実際の投げ方が分かりやすくなります。

また、10 以上の数字はアルファベット1文字に置き換えて表します。アルファベットは大文字でも小文字でも構いません。

10 11 12 13 14 15 16 17 18 33 34 35
a b c d e f g h i x y z

これを見て 35 を越えた場合はどうするのか? という疑問を持たれた方もいると思います。実は、人間には 35 を越えるようなパターンを投げることは不可能(普通の人には 10 すら難しい)ということもあって、その先は定義されていません。